
この本は主人公の泉卓也がフェラーリに乗る成功者の弓池と出会い、成功していくために必要なさまざまなポイントを教わり、失敗と成功を繰り返しながら人生を成功していくサクセスストーリーが描かれています。
現実的に私がこの本の成功者の弓池に出会うことはできませんが、この本を読むことで卓也を通して成功のポイントを教わることができます。
今の人生に少しでも不満があるのなら読んでもらいたい一冊です。
こんな人にオススメ
- ビジネスを成功するヒミツを知りたい人
- 人生を成功したい人
- 人生の師匠に出会いたい人
オススメ度 | ★★★★☆ |
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ページ数 | 294ページ |
読書時間 | 2時間~3時間 |
成功者がくれた運命の鍵 CHANCE
大学を中退し、中古車販売を始めた主人公の泉卓也。30歳までに経営者として成功することを目指し、中古車販売を続けるがすでに29歳。
残り1年で成功しなければサラリーマンになるしかないと思っていたところに偶然出会った成功者の弓池。
弓池からの課題をクリアし、人生を成功に導くためのさまざまなヒントを受け取り、成長していくストーリーが描かれた一冊です。
小説ではありますが、実際に役立つ内容が数多く収められた自己啓発本に近い本です。
赤い跳ね馬(フェラーリ)の成功者
「あなたはビジネスで成功したいのですか。それとも人生で成功したいのですか」
主人公の卓也が弓池に最初に質問された言葉がこの一文です。
「ビジネスの成功」=「人生の成功」と考えていた私には一瞬、何を言っているのか分からない内容でした。しかし、この本を読み進めていくと「ビジネスの成功」と「人生の成功」は別のもので、人生の成功の一部に「ビジネスの成功」があると教えられます。
ビジネスの成功だけでは幸せにはなれません。目指すのは「人生の成功」です。
これからは会社のために働く時代ではない
「卓也、サラリーマンは虚しいもんだよ。お父さんは25年前も会社で働いてきたのに何も残ってないんだもんな。これからは会社のために働く時代じゃないな」
卓也の父親は50歳過ぎに会社からリストラをされました。その父親が卓也に語った一言です。
一昔前の終身雇用の時代なら会社に依存するのも仕方ないですが、これからの時代は会社に依存してられません。
自分を常に高める努力をしていかないと会社からも見捨てられます。
いかに必要な人材になるかが求められる時代になっています。
誰よりもお金持ちになる!
ある日、同業者と話していて、「自分が利益を得るには相手に損をさせることだ」という考え方を聞いた時、まさにその通りかもしれないと思った。損をさせるのは仕方ないことだ。騙される人間が悪いのだ。卓也はだんだんとずるい人間になる道を選んでいた。
この本を読むと、この考えが間違っていると教わるのですが、私もこの考えに近い考えを持っていました。
この本では「小さな潮溜まり」と表現されていますが、上限のある市場を関係者が奪い合うので、一人が儲ければ、誰かが損をしていると考えていました。
でも実際には「ずるい人間」になるほど損をしていくのは自分だということに気付かされます。
常に学び続ける
「成功している人は成功している人とつながっていること。ノウハウとかを親切に教えてくれることに驚きました。それから、成功するまで決して諦めるなということを教わりました」
成功している人は成功するまで諦めずに突き進んだ人。そんな成功者だからこそ、同じように成功している人は信頼できると考えて横のつながりができていく。
そして成功している人は、同じように成功している人を増やすことで自分がさらに成功できることもわかっている。
だから本気で成功したいと考えている人にはノウハウなども教えてくれる。
成功している人に認められることが成功の近道かもしれませんね。
この世界を司る揺るぎない法則
「『儲けたい』と思うのと、『儲けることができる人間だ』と思うのとでは天と地ほどの差がある。『儲けたい、なぜなら自分は儲けることができる人間だから』と本心から思える人は本当に儲けることができる」
思いの強さで現実になるかどうかの話です。
「儲けたい」と考えるのは願望です。「儲けることができる人間だ」は自信です。
願望だけでは願いは叶いません。努力をして、考え抜いて、自信を持って「儲けることができる人間だ」と口に出して言えるようになってこそ本当に儲けることができるのです。
人生は思った通りにしかならない
「ほとんどの人は、足元しか見ていないんだ。人生がどこに向かっているのか気にせずに進んでいるんだね。人生という大きな枠の中にビジネスという領域がある。ビジネスという部分にだけ集中して、他をないがしろにしたら人生全体はうまくいかない。そしてビジネスもうまくいかなくなる。出来事は全部つながっているんだ」
多くに人は目の前にある障害を一歩一歩超えていくことしかできていない。
成功する人は目標をしっかりと定めて、その目標を達成するために障害を超えていきます。
同じ障害を超えても、その先の目標を見ているのか、その障害だけを見ているのでは大きな差が生まれます。
ビジネスも目標達成のための一つの領域。そこばかりに目を向けずに全体を見渡しながら目標に向かっていくことが大切。
人生にある4つの領域
「人によって分け方は違うだろうけど、私は人生には4つの領域があると考えている。『経済』『健康』『愛情』『精神』だ。」
- 『経済』はビジネスや投資などお金に関すること。
- 『健康』は肉体的な健康。
- 『愛情』は家族や友人との人間関係。
- 『精神』は人格とか感情など。
ビジネスの成功だけでは人生の成功にはつながらない。ビジネスの成功は弓池の考えでは4つの領域の一つにすぎない。
人生の成功を掴むためには『経済』『健康』『愛情』『精神』の4つの領域で成長しないといけない。
精神が成長していなければビジネスでは成功しないし、ビジネスで成功しても愛情がなければ幸せにはなれない。
『経済』『健康』『愛情』『精神』には相関関係がある。
不当所得という考え方
「そうそう、世の中には変な価値観がいっぱいだ。悪いことだと考えられているものの中でも実はそうではないものはたくさんあるし、またその逆もある。価値観を一度刷り込まれて完全に受け入れてしまうと何かきっかけがないと疑うことはない。みんな受け入れたまま生きてしまうんだ」
いまだに株は悪いこと、投資は悪いこと。貯金が一番と思っている人が結構いる。
特に自分が汗水出して働いたお金以外の収入を悪いお金と思っている人がいる。
一度刷り込まれた価値観を疑うことは本当に難しいことです。しかし、その価値観を疑うことを止めることはもったいないです。
自分の価値観や常識は絶対に正しいという考えは持たないことが大事です。
投資が先で消費が後
「不労所得を手に入れるルールを教えよう。それは"投資が先で消費が後"というルールに従うことだ。消費とはお金を生み出さない買い物のこと。たとえば車や持ち家はお金を生み出さない。それに対して投資とはお金を生み出す買い物のこと。アパートは家賃を生み出すだろう。不労所得を手に入れるにはできるだけ消費をしないで先に投資をするんだ。でも多くの人は消費を先にしてしまう。なぜなら消費は"すぐに楽しい"からだ。先にお金を消費してしまったらいつまでたっても投資をすることができない」
"投資が先で消費が後"という考え方は頭では納得できても、なかなか実行することは難しいですね。
投資をしなければ不労所得は手に入らない。
私の好きな本で「お金が貯まる財布のひみつ」では「消費」「浪費」「投資」を使い分ける方法が書かれています。
少しでも浪費や消費を抑えて、投資にお金を回せるようにお金の使い方を学ぶ必要もあります。
他人の成功を助けることが成功の鍵
「いいかい。ものすごく大事な考え方だからよく覚えておくんだよ。この世の豊かさは無限なんだ。たとえ有限だとしても海の水ほど膨大なんだ。でも君は、それを小さな潮溜まりくらいに思い込んでいる。海辺に立ったところを想像してごらん。君が手ですくった海水を隣の人に分け与えても、海の水の量は減るかい?減らないね。すくった分だけ新しい海水が流れ込んで来る。どんどん分け与えてもどんどん新しい海水が流れ込んで来るんだ。これが世界の豊かさの本当の姿だ」
この話は目からウロコです。
この世の豊かさは無限。その豊富な豊かさを手に入れれるかどうかは自分の努力次第。
無限の豊かさがあると信じることができると、他人の失敗を祈ることよりも、一緒に成功することを目指せるようになります。
4つの領域の『精神』を養うことができます。
人生の目的を見つけるためのワークシート
- 使いきれないほどのお金があったら何を手に入れたいですか。
- 使い切れないほどのお金があったら何を経験したいですか。
- それぞれ手に入れる、もしくは経験するとどんな気持ちになりますか。
- 上記の3つをもとにしてあなたの「夢リスト」を作ってください。書いたものはすべて実現します。
- どんな自分にはなりたくないですか。
- どんな自分になりたいですか。
- あと1年の命だといわれました。何をしますか。
- すべてのやりたいことをやってもまだ後1か月残ってます。何をしますか。
- 「理想の1日」の朝起きてから夜寝るまでを書いてください。
- 人生の目的はなんですか。そのために最初に目指すべき小さな目標はなんですか。またその期限はいつですか。
私も漠然と「成功したい」と目標を考えていました。
目標がしっかりと定まっていないと、努力する方向も分かりません。
この「人生の目的を見つけるためのワークシート」は書き始めるとけっこうな時間がかかりますが、自分の目標が明確化しますので楽しいです。
特に「理想の1日」は自分がどんな生き方をしたいのかが分かり面白いです。
そして、その目標を達成するために「最初に目指すべき小さな目標」を設定することの大切さが分かります。自分が現状でどの程度のことができるのかが具体的に現実として見ることができます。
ホームランを打つ必要はない
- 世の中に同じ商売がいくつかあること。つまり市場があること。
- 2社以上の大手が熾烈な競争を繰り広げていないこと。大手の競争が激しいとすでに多数の改良・革新の努力が重ねられていて簡単に真似ができず入り込む隙がない。逆に1社が占有しているような場合は独占状態に安穏としていることが多いのでチャンス。
- そういう業界を見つけたらそこそこ儲けているやり方を真似る。そして、工夫と改善を付け加えて、それより少しでもよいシステムを作り上げる。そうすれば比較的簡単に抜きん出ることができる。
ビジネスのヒントとなる弓池の言葉。
ビジネスで成功しようと思うと、ホームランを打つことを考えてしまいます。しかし、プロ野球選手だってホームランは年間数本しか打てません。
それよりはヒットを打つことが大事です。大きな成功を求めるのではなく、確実な成功を求めることが人生の成功には欠かせません。
この本に書かれていますが、成功の秘訣は成功している人・店を真似すること。
完全に真似ができるようになったら、工夫と改善をして、少しでも良いシステムを作り上げると成功できます。
最後に
この本には人生を成功するためのポイントがいくつも書かれています。
でも問題は自分自身です。この本を読んで成功するためのポイントを学んでも実際に行動するかどうかは別問題です。
行動をしなければ成功することはありません。
目標を定めなければ行動する方向が決まりません。
この本を読んだら、やることは目標を定めて、そこに向かって行動することだけです。
諦めなければ人生の成功が待っています。一緒に頑張りましょう。