
この本を読むことで初対面の人との空気の悪い沈黙の時間や上司や取引先の偉い人との会話など、なんとなく気まずい時間を相手にとって楽しいと思える時間に変えることができます。
雑談には普通の会話やビジネスの会話とは異なる雑談のためのスキルが必要になります。
この本にはその雑談スキルを身につける方法が詳しく書かれています。
こんな人にオススメ
- 沈黙が苦手ない人
- コミュニケーション力を高めたい人
- 人見知りの人
オススメ度 | ★★★★☆ |
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ページ数 | 206ページ |
読書時間 | 1時間~2時間 |
超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける
苦手な雑談
微妙な関係の人と、なんとなく話さなくちゃいけない状況。これこそがまさに多くの人が苦手な「雑談」です。
親しい友人と雑談するのに苦手意識を持っている人はいないと思います。
また、同じように親しい友人との間に沈黙する時間があっても、それもあまり気にならないと思います。
でも、初対面の人や親しくない会社の後輩や先輩、さらには上司や取引先の偉い方など、なんとなく話さなくてはいけない雰囲気が苦手な人は多いと思います。
個人的には美容室で髪を切ってもらっている時間も苦痛でした。私はこの時間が本当にイヤで、さらに節約も含めて自分で坊主にしています。
この本ではそんな嫌な雰囲気の雑談をどう乗り切るだけでなく、相手に好印象を与える方法まで教えてくれます。
雑談は、普通の会話とは、まったく違う
雑談は友人と話す会話や仕事で使うビジネスで使う会話とも違う、第3の会話です。
同じように考えるから雑談に失敗してしまうということがこの本を読むことでわかります。
ビジネスの場合、相手の警戒感を解き、ビジネスを成功させるためにも必要なスキルが雑談力なのかもしれませんね。
雑談とは、「微妙な関係の人と、適当に話をしながら、なんとなく仲良くなる」という、とても繊細な会話の方式です。
雑談にもスキルが必要なことがわかれば、雑談が一気に簡単になります。
だってスキルを覚えてしまえば雑談を恐れる必要がなくなるのですから。
この本に書かれていることは決して難しいことではなく、雑談を続けるためのちょっとしたテクニックを教えてくれています。
気持ちのやりとりをする
調べればわかる冷たい情報ではなく、自分だけが感じた生の気持ちを共有すれば、親密な関係を築けるのは、当然のことです。
ビジネス会話では数字やファクト(真実)を話すことが大事だと教わりますが、雑談では違います。
数字やファクトよりも気持ちを話すことで、相手も気持ちよくなり雑談を楽しめるようになります。
情報という価値を伝えるのではなく、相手が話を続けたくなるような気持ちを伝えることを大事にしないといけない。
肯定して共感する
相手の話を聞くときは、とにかく肯定する。とにかく共感する。
雑談で大事なのは否定しないこと。
会話では何気なく相手の意見を否定してしまうことがあります。
雑談という会話を続けるためには否定はせずに、間違っていると思っても肯定して、共感することが大切。
雑談レベルの内容なので、相手が間違ったことを言っていても肯定しても特に問題にはならない。
話の内容がビジネスなどに切り替わったら、雑談力を消して間違っていることは間違っていると伝えることも大切です。
ほどよいところで切り上げる
雑談力のルールを逆利用することで、スムーズに、無難に雑談を終わらせる。
話が盛り上がりすぎて雑談の時間を超えた際や、雑談をする必要もない場合などにはこの本に書かれていることの逆をすることで雑談を無難に終わらすことができます。
雑談を「無難」に終わらすことって結構重要なポイントですよ。
「こんにちは」と話し始める
初対面はもちろん、以前あったことがある相手でも、最初は「こんにちは」とあいさつすると、その場の空気がさっと明るくなります。
日本では時間帯に合わせて「おはようございます」「こんばんは」という挨拶や初対面の人には「はじめまして」などの挨拶がありますが、実は「こんにちは」は万能なあいさつ。
見知らぬ人に「こんにちは」と言われると警戒しますが、雑談をする相手には「こんにちは」は警戒感を解くあいさつになります。
万能のあいさつ「こんにちは」を使いこなしたいですね。
「過去」「現在」「未来」で尋ねる
自分が知らないことを教えてもらううえで、話が広がりやすい質問の視点をお教えします。それは「過去」「現在」「未来」にフォーカスを当てること。
- 過去「昔からお好きなんですか?」「いつ始めたんですか?」
- 現在「今でも、よくつくるんですか?」「最近は、何がおすすめですか?」
- 未来「じゃあ、今週末も?」「次に狙ってる場所とかあるんですか?」
時系列に沿って質問をすると質問の幅も広がり、雑談の続きやすくなります。
雑談が続けば、それだけ相手との距離も縮まり、関係が良くなります。
しばらく様子を見て、相手に語らせる
「How about you?(あなたは?)」を常に意識する
雑談で大事なのは会話のキャッチボール。相手に会話の主導権を渡して気持ちよく話してもらうことが大事。
相手が気持ちよく話したら、ボールをこちらに渡してもらって、また相手に気持ちよく話してもらう。
自分3:相手7くらいの会話のキャッチボールを心がける。
「ありがとうございました」と話を終わらせる
「今日ははありがとうございました!」と言われているのに、「それはそうと、僕の意見としては~」と話し続ける人はまずいません。話し足りないと思っても、そこで話をやめざるをえなくなる万能フレーズです。
どうしても雑談もしたくない人に出会うこともありますよね。
私も同じ事務所で働いている人でそういう人がいます。自分の自慢のような話ばかりで、仕事にも影響が出るような間違いをしているから指摘をすると、明らかに不機嫌になったり、ひどいときには逆ギレをしてきます。
そんな怒らすような言い方もしていないつもりですが…ちなみにこの人は以前同じ事務所で働いていた人からはモンスターと呼ばれていました。納得です。
そんな面倒な人との雑談を素早く終わらすためには「ありがとうございます」を付けて、終止符を打つのが波風も立てずにスマートです。
「ありがとうございます。勉強になりました。」みたいな感じで適度に切り上げましょう。
「何か特別なことしてるんですか?」と聞く
「趣味」は「過去・現在・未来」で答える(尋ねる)。
「こだわり」は「習慣」で答える(尋ねる)。
相手が返答しやすいように身構えるような質問はしない。「趣味は?」ではなく、「最近ハマっているものは?」。「こだわりは?」ではなく、「何か特別なことをしている?」。
相手が気持ちよく話せる環境を用意することを身につけると雑談力が上がる。
「どう(HOW)?」と状況や気持ちを尋ねる
「WHY」ではなく「HOW」で尋ねる。
「なぜ?」という質問は意外と相手を困らせます。
それに対して「HOW」の質問は「どのように」「どのくらい」など相手も質問に答えやすいので雑談には向いています。
「HOW」を意識的に使えるようにして雑談をキャッチボールを続けられるようにしましょう。
「一般的には~」と話を逸らす
仲良くなりたい人、答えたい質問には、パーソナルなことを。
距離を置きたい人、答えにくい質問には、一般的なことを。
仲良くなりたくない人にはあまり個人的な情報は与えたくないですよね。
そこで使うのが「一般的には○○」という話の流れです。「お小遣いはいくら?」みたいな質問も「私と同じくらいの年齢の場合、4万円が相場らしいです」と返答すれば、一応質問にも答えていますし、実際の金額を言わなくても済みます。
答えたくない質問には「一般的な内容」で回答すれば乗り切れます。
「教えてください」がビジネス雑談のベストバランス
ビジネスの雑談においては、背伸びをして対等に話すのではなく、シンプルに「相手からものを教わる」というスタンスこそが、正解となります。
ビジネスでは相手を立てた方がうまくいく場面も多いと思います。
特に商談などの前の雑談の場面には相手を気持ちよくしている方が商談がうまくいくかもしれません。
なのでビジネス雑談には立場を対等にするのではなく、相手から教わるスタンスでいれば相手も気持ちよく雑談に応じてくれると思います。
最後に
雑談力という第3の会話スキルの存在を知ることで、普通の会話での話し方、ビジネス会話のスキルなども見直せると思います。
この本と合わせて「コンサル一年目が学ぶこと」も読むとビジネスでの会話と雑談力の2つを学べるのでオススメです。