
久しぶりに本を読んで泣いた。胸は締めつけられるが、それ以上にワクワクする気持ちが抑えられない一冊です。
この本を読み終えたら、自分の人生に関わった全ての人に感謝をしたくなり、さらに次の世代のために今やれることを精一杯行動したくなります。
こんな人にオススメ
- 運が無いと思う人
- 退職や転職を考えている人
- 気持ちが落ち込んでいる人
オススメ度 | ★★★★★ |
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ページ数 | 202ページ |
読書時間 | 2時間~3時間 |
運転者 未来を変える過去からの使者
この本の主人公、岡田修一は完全歩合制で働く保険の営業マン。
大口の契約が突如解約となり、来月から給与が大幅に減り、さらにはその大口の保険料を保険会社に戻さないといけないピンチに。
さらに一人娘の夢果は不登校。
修一の母親は半年前に夫の政史が亡くなり、今は一人暮らし。
さまざまな不幸と思える状況が重なり、どうしたらいいのか分からなくなった時に修一の前に1台のタクシーが止まります。
運について
普段は自己啓発などの本を読むことが多く、こういった小説を読むことは少ないのですが、たまたま興味が湧き開いてみました。
すると、自分の人生の生き方についてや全ての人やモノ、宇宙にまで感謝を言いたくなるような素晴らしい本に出会えました。
大げさではなく本当に素晴らしい本です。
この本を読むことで4つのことを学ぶことができました。
上機嫌
この本の主人公は岡田修一とタクシーの運転手です。
タクシーの運転手が修一を色々なところに連れていき、その場所で修一にとって人生を変えるような出会いをしていきます。
そんな中で修一がタクシーを降りる際に運転手が「常に上機嫌でいるように」と注意をする部分があります。
機嫌が良くないと運の転機をつかむアンテナの感度が鈍るということです。
これは現実社会でも同じだと思います。いつも仏頂面だといいことが起きる予感がしませんが、笑顔が素敵な人には良いことが起きてもなんとなく納得できます。
街中を歩いている人を見ても笑顔な人は少ないですが、笑顔の人のほうが素敵に見えます。
私自身、どちらかというと仏頂面ですので意識して上機嫌になり、笑顔で過ごしたいと思えました。
仕様
主人公の修一が高松で出会ったミュージシャン、藤上のセリフで気に入った言葉があります。
要は、人間は最初は柔らかくて弱いんですよ。だけど、使い続けていくと、痛みは伴うけれどどんどん強くなって硬くなっていって、痛みを感じなくなる頃にはそれ仕様に生まれ変わってるってのが俺の持論なんです。
ギターを弾く指は最初は柔らかいく、そして練習をするたびに痛みを伴う。しかし、痛みに負けずに何度も練習をしているとギターを引くために指が硬くなることを説明していているセリフです。
このセリフを聞いて私は何かを始める時の痛みを感じたくなくて「挑戦」という言葉から逃げているような気がしました。痛みを伴って成長をしていかなければいけないと改めて実感させられた言葉です。
プラス思考
この本に書かれているプラス思考は少し意味が違っています。
自分の人生で貯めた運が使用した運より上回っていること。そして余った運を次の世代に残すことをプラス思考と紹介しています。
この考え方、かなり好きです。
自分の人生では報われなくても、その報われなかった何かによって次の世代が恩恵を受けれるって考えられたら今の人生にもしっかりと意味があると思えます。
感謝
この本の主人公、修一の祖父の思いや、父親の意思、妻の思いや、娘のこれからなど、この本を読むことで改めて人と人はつながっていることに気付かされます。
誰かの影響を受けて、誰かは変わっていくことが素晴らしい内容として描かれています。
そのつながりを感じられたことで実際の自分の人生に関わった人たちやモノ、全てに感謝したくなります。
とっても素直な気持ちさせてくれる一冊です。
家族について
この本を読んで思い出したのが祖父の存在でした。
祖父はすでに亡くなっていますが、私が子供の頃はいつもニコニコしながら私の話を聞いてくれた記憶があります。
そんな祖父は私に何を残してくれたのか、そして私は息子やその次の世代に何を残せるのか…
この本を読んだことで常日頃から上機嫌を心がけて、運を貯めて、次の世代のために残してあげたいと思えました。
たとえ今は報われなくても、次の世代のために今の自分にできることをしっかりとやりたくなる一冊です。