
人事評価「上位5%」の社員は一体どのような行動・働き方をしているのかをAIを使って調査し、その働き方を分析し、5%社員の共通点や残りの95%社員との違いが書かれたこの本。
5%社員はセンスや才能もあるかもしれませんが、95%の社員でも再現可能なシンプルな習慣を身につけていました。
この本を読むことで上位5%の社員の考え方・習慣を学ぶことができ、意識を変えることで短い時間で成果を出し続けることができるようになります。
こんな人にオススメ
- 仕事を効率良くしたい人
- 出世したい人
- 全ての社会人
オススメ度 | ★★★★☆ |
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ページ数 | 226ページ |
読書時間 | 2時間~3時間 |
AI分析でわかった トップ5%社員の習慣
この本で書かれているのは上位5%の社員が身につけている「シンプルな行動と思考のルールをつかむ方法」です。
上位5%の社員の行動や思考は一部の特殊な人しかできないような難しいことではなく、誰でも実践可能でマネができることです。
リスクを抑えて、行動を増やすことで成功に近づく方法を学ぶことができます。
「好意の返報性」
例えば会議では、心理的ハードルを下げるために、いきなり本題に入ることなく雑談で参加者同士の心理的安全性を確認してから、意見を出し合うようにします。そうすることでたくさんのアイデアが出てきます。
会議で雑談を入れると時間が長引いたり、話の内容が脱線してしまいそうに感じます。しかし、この本では調査では発言数が2倍近く多く、さらに時間通りに終わる可能性が1.6倍高かったという調査結果になっています。
会議の目的を達成させるために多くの意見を集める必要がある場合、会議の冒頭部分で意見を言いやすい雰囲気を作ることも大事だということがわかります。
雑談のひとつでも目的を持って動いているのが上位5%の社員ということがわかります。
雑談については「超雑談力 人づきあいがラクになる 誰とでも信頼関係が築ける」が参考になります。
全ては学びだと考える
そもそも「5%社員」は、失敗をさほど悪いものだと思っていません。
むしろ成功しても学びがないことをネガティブに捉えます。
95%の社員は失敗を恐れてしまいます。私も失敗はイヤです。
ですが、上位の5%社員は失敗を恐れず、失敗してもそれを改善の材料にして成長しています。
失敗も経験と捉え、プラスの材料に変えることを心がけるようにしないといけませんね。
95%の一般社員は作業充実感に浸る
95%の一般社員は作業が終わった充実感に満たされ、「5%社員」は成果を残した時の達成感を目指しています。
上位5%の社員は成果を常に意識しています。一つの作業が終わって充実感を得るのが95%の社員で、作業は成果への過程と捉えているのが上位5%の社員ということです。
上司に頼まれたパンフレットの制作などもパンフレットを作ることを最終目標にするのではなく、そのカタログによって商品やサービスが売れることを目標と捉えることが大切なんですね。
常に成果を意識しているから、充実感を感じるポイントも上位5%の社員は高い位置に置かれています。
「5%社員」の休み方
本をよく読むのも「5%社員」の特徴です。
28社のアンケートでは、平均で1年につき2.2冊の読書をしていました。
一方、「5%社員」はその20倍の48.2冊を年間に読んでいました。
2018年の楽天ブックスの調査ではビジネスパーソンの6割が月に1冊も本を読んでいないという調査があります。
月あたり読書量(年間読書量) | 全体 | 管理職 | 若手社員 |
---|---|---|---|
月10冊以上(年120冊以上) | 3.9% | 3.0% | 5.0% |
月8冊以上10冊未満(年96冊以上120冊未満) | 3.0% | 2.3% | 4.0% |
月6冊以上8冊未満(年72冊以上96冊未満) | 2.1% | 2.0% | 2.3% |
月4冊以上6冊未満(年48冊以上72冊未満) | 5.9% | 6.8% | 4.7% |
月2冊以上4冊未満(年24冊以上48冊未満) | 8.4% | 10.0% | 6.3% |
月1冊以上2冊未満(年12冊以上24冊未満) | 15.9% | 17.5% | 13.7% |
月1冊未満(年6冊以上12冊未満) | 18.7% | 18.8% | 18.7% |
月0.5冊未満(年6冊未満) | 42.1% | 39.8% | 45.3% |
社会人になると「時間がない」などの理由で本を読まない人が多いです。私も少し前までは本を読む時間はないと思っていました。
しかし、「毎日本を開く」という習慣を身につけてからは夜に本を読む時間を確保しています。
本は読むことで直接会えない方の経験やアドバイスを教えてもらえることができます。個人的にはバラエティー番組などを見る時間があるのなら本を読む時間を増やすほうが人生豊かになると思っています。
インプットは効率と効果を考える
欲しい情報のありかとその検索方法が一般化していけばいくほど、その特定の情報源にアクセスできる人は多くなるので、その情報がもつ希少性は低くなります。
誰でも入手可能な情報を伝えるのは、その入手コストや探索コスト、そしてその情報そのものの価値、どれをとってもお金をもらう対象にはなりえません。
Google検索で手に入る情報は誰でも手に入れることができる情報です。
情報を入手する側として、欲しい情報が手に入れば問題ありませんが、情報を提供する側や発信する側の場合、そんな情報では価値は生まれません。
価値を生み出せる情報を手に入れることを意識することが大切です。
成功する唯一の方法は、たくさんの失敗をすること
「5%社員」は、失敗の先に成功があることを知っています。一般社員の発言を聞くと成功は失敗との二者択一の片方であるように思えます。
しかし「5%社員」は、成功は失敗の積み重ねの先にあることを理解しています。もちろん致命的な失敗をしないように最低限の準備はしますが、その回避策は、すぐに小さく始めて修正することだと心がけています。
成功するためには多くの挑戦をして失敗を繰り返さなければいけないということを上位5%の社員は知っています。
多くの挑戦をするためには多くの行動が必要、さらに同じ失敗はしないように振り返しも必要になってきます。
多くの失敗が成功への近道だと理解し、デメリットよりもメリットに目を向けて挑戦していきましょう。
仕事を振り返る時間を取っている
5%社員の中で振り返りの時間を取っている人は48%、95%の一般社員の中で振り返りの時間を取っている人は6%しかいませんでした。
上位5%の社員は定期的に振り返っています。
どうして失敗したのか、どうして成功したのか、メモを取り、振り返って、次の行動に活かします。
越川慎司氏
国内外通信会社に勤務、ITベンチャーの起業を経て、2005年に米マイクロソフトに入社。日本マイクロソフト 業務執行役員としてPowerPointやExcelなどOfficeビジネスの責任者等を務めた後、2017年に株式会社クロスリバーを設立。
クロスリバーでは、選択式週休3日・完全リモートワーク・複業(専業禁止)を導入し、新たな働き方を実践しながら800社以上に「稼ぎ方改革(More with Less=より短時間で、より大きな成果を)」の実現を支援。
最後に
「AI分析でわかった トップ5%社員の習慣」に書かれている内容は多くの人が実践できるものです。
この本を読んで行動を移せる人は、挑戦を恐れず、デメリットよりもメリットを感じられた人だと思います。
この本を読んで上位5%の社員の仲間入りを目指しましょう。